「ビジネスマンの父より息子への30通の手紙」
今回は、ちょっと前に読み終えた本を紹介します。
著キングスレイ・ウォード
「ビジネスマンの父より息子への30通の手紙」
かなり、時間をかけて読みました。
1ページ1ページが面白く、ユーモアがあり、それでいて本当にタメになる。
内容は、進路の考え方、仕事の進め方、経営的な視点、マネジメント、金銭感覚、家族etcと幅広く、そして全ての手紙に納得させられるのです。
色々と自己啓発的な本を読んできましたが、この本は唯一無二の本であると思います。
著者は、2度の心臓の大手術を受け死を感じたことで、生きている間に息子へ伝えなければいけないことを30通の手紙にしました。
息子が17歳の時に書きはじめれられ、約20年後その息子に会社を譲るところまで書かれています。
特筆すべきは、もともとは発表など考えもしなかった手紙であることです。この手紙の存在を気付かれ、出版を求められた著者が「個人的なものだから」と2年余にわたって断り続けたというのですから、非常にリアリティがありました。
そして、読んでいて、著者の息子を思う気持ちがひしひしと伝わり、正直にいって感動しました…
著者は歴史に明るく、様々な歴史上の人物の言葉を引用しながら、ウィットに富んだ表現で、アドバイスをします。
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宴席で作法を守るように、人生の作法を守ることを忘れてはならない。ご馳走がまわってきて、自分のまえに来たら、手を伸ばして、礼儀正しく一人分を取る。次にまわっていくのをとどこおらせることのないように。まだまわってこないうちから欲しそうにしないで、自分のまえに来るまで待つように。子供についても、妻についても、地位についても、富についても同じことである。
この言葉を書いたエピクテートスは紀元五十-百二十年頃の人である。その七十年の生涯はおそらく学問と教育に費やされたことだろう。この世に七十年生きながら、わずか八十語で、幸福な実り多い人生の完璧な形態を明らかにしている。考えさせられるではないか。
私は霊魂の再来を信じないが、もし彼の地でそういうことがあるとわかったら、君の息子として送り返して欲しいと願うだろう。君の父親であったおかげで、すばらしい人生だった。(私の墓石にそう刻んでくれてもいい)。
愛をこめて。
父さんより
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30通目の手紙の最後の文章です。
読み終えて、感動とともに、自分の父親のことを考えました。今年引退しましたが、ビジネスマンとして、4人の兄弟を何不自由なく育て上げてくれました。著者のように形になるようなアドバイスはしませんが、大事なことを、行動で伝えてくれたように思います。
そして今、もう少しで1歳になる息子を思います。自分はどう伝えられるかまだまだ分かりませんが、伝えられるだけの父親にならなければいけないことははっきりしました…
そして、自分の父親にも、何の心配のなくこの世を旅立ってもらえるよう、頑張りたいと思いました。
おすすめできる本ですので、是非ご一読ください。