本当の財産…
忘れられない敗戦が胸にあることが生涯の財産なのだと思う…
元大リーガーの松井秀喜さんは、「辞めた今でも、何度も脳裏に蘇るのは勝利ではなく、いつも敗戦だ」という。
その悔しさがあるからこそ、次のチャレンジがあるのだと思う。
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僕は恵まれた選手生活を送った。
プレーしなくなって2年経つ。
それでも未だに気が付くと、負け試合の事を考えている時がある。
高校生が痛い敗戦を引きずるのは仕方ない。
ただ、どんな思いを抱えていても、先に進む以外にできることはない。
誰も永久的に勝ち続ける事はできない。
敗戦は付きもので、スポーツは人生の早い段階でそういう感情を乗り越える訓練をする場である。
残念ながら苦い思い出は、いつまでたっても苦い。
失敗を糧に成功を収めても悔しさは残る。
悔しさという感情と、敗戦を未来に生かす論理的思考は別のものだ。
悔しい思いで夏を終えた選手たちは、忘れられない敗戦が胸になることが生涯の財産なのだと思う。
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ふと見かけた記事で、高校生最後の大会での、早々に散った試合を思い出す。
言ってしまえば、練習試合で負けた記憶のない相手。
気付けば延長戦も終わりPK戦へ。
サドンデスになり、センターバックである私が蹴るか、別のフォワードが蹴るかの選択になった。
私は、譲った。逃げた訳ではないのは覚えているが、本職のフォワードに譲った。
結果的に外し、相手は決めたため、負けた。
悔し涙が止まらなかった。
ここぞという場面では、挑戦しなければいけないと胸に刻んだ。
今覚えば、一生ものの、本当の財産なのだと、松井秀喜さんの言葉で思うことができた。
そして、土壇場での挑戦ほど無謀なことはなく、日々、一瞬一瞬に挑戦して初めて土壇場でも勝負できるのだと思う。
あの日に感謝ですね。